このブログが全体を通して扱うテーマは「日本に居ながら、他に本業を持ちながらフランス語のレベルをアップするにはどうすべきか」ということです。留学する金銭的・時間的余裕はないけれど、しかしなんとか自力で語学のレベルアップをしたい、そんな人にとって有益な情報を提供するためにこのブログを立ち上げました。この理念(というと大げさですが...)から、フランス留学という方法をおススメする立場は基本的に取りません。
しかしフランス語のレベルを上げるための方法として留学という手法が有効であることは間違いなく、ご自分の事情、仕事や家庭の事情、金銭的あるいは時間的な余裕、将来の目標、などなどの諸事情を考慮して留学という道を選ぶのであれば、それはもちろんおススメしたいところです。
ただし留学と一口に言っても語学留学と専門性のある大学や専門学校への留学はまるで意味合いが違います。ここは留意すべきです。
種別 | 期間 | 内容 |
大学や専門学校への留学 | 1年、2年、4年、など長期 | 高度な専門知識を習得するのが目的、語学習得はそのための必須条件にすぎない |
語学留学専門の学校への留学 | 1週間~数週間、短期 | 語学習得だけが目的 |
この二つは留学は留学でも内容がまるで違います。
大学や専門学校への留学
大学や専門学校への留学はフランス留学ならフランス語をとおして別の専門知識を習得しにいくことが主目的になり、フランス語はそのためのツールに過ぎません。なので準備段階で相当レベルのフランス語力を持っていないと選択できない手法です。留学期間も複数年単位となります。学生さんだったら海外の大学や大学院を目指すこともできるでしょう。あるいは社会人が一念発起して海外の大学に留学することだってできます。しかし、そのためには留学できるほどの時間的・金銭的余裕、あるいは周囲のバックアップが必要です。さらにもっと重要なのは留学するモチベーションです。大学に留学するくらいならば相当大きな目標を掲げている人に違いありません。それはもう語学という次元の話ではないでしょう。現地でなければ学べない何かがあるはずです。そこまでの志があるのならぜひ留学すべきでしょう。
語学留学専門の学校への留学
語学専門学校への留学は大学や専門学校への留学とは違い、語学学習だけが目的です。期間も1週間~数週間と短くなります。語学学習だけが目的の短期留学というのは実際の効果についてはさほど期待できないと割り切るべきでしょう。そもそも1~2週間程度海外で過ごしたからといって劇的に進歩することはありません。それだけでフランス語準1級レベルだった人が急に1級レベルになことはまずありません。それなりの成果を出そうとすれば半年~1年は必要です。一般社会人が語学習得だけのために半年~1年の留学をするほどの時間的な余裕は普通ありません。少なくとも日本にはそういう事が認められるような制度を持った職場が存在しません。つまり仕事を辞めなければ不可能なことなのです。半年~1年無収入で帰ってからの復帰の保証もなし、というのはかなりのリスクであり、それを受け入れられる人はそうそういないはずです。もし有給休暇を使って短期間することをお考えなら、それは旅行だと割り切ってください。
フランスでもそうですが、語学留学専門の機関が多数存在して各国からの留学生を受け入れています。フランスでもパリやその他の地方都市にたくさん語学留学専門の学校があります。ここで注意してほしいのは、語学留学が専門である学校の場合生徒は間違いなくすべて外国人になりますので、ネイティブのフランス語話者と接する機会はかなり限られます。ネイティブの話者は先生のみです。あまり効率のいい学習方法ではありません。全く効果がないとは思いませんが、高いお金を払って入学したのにネイティブのフランス語に接する時間は限られ、残りは訛りや間違いだらけのフランス語を話す外国人との会話ばかり、となりかねません。筆者の独断ではありますが、語学留学専門の学校に留学するくらいならば、同じ金額を出して日本国内で駅前留学するか、そのコストを語学留学ではない旅行に回した方が得策です。いっそのこと旅行しながら現地のフランス人を捕まえて会話してた方がよっぽど楽しいですし、本物のフランス語に接することができますので効果的です。語学学校ならば作られた状況でのシミュレーション会話でしょうが、旅行ならばいろいろなテーマで深いフランス語会話を実践することができます。旅行する場合にはこちら「フランス語独学の継続、モチベーション維持のためにフランスに行こう!」をぜひご一読ください。
語学留学 vs 大学や専門学校への留学
話半分で読んでいただければということであえて書きます。もし社会人としてのキャリアを一旦中段してでも留学したいとお考えならば、語学専門の学校ではなく大学または語学以外の専門学校にすべきです。つまり学習目標を語学以外のものに設定すべきです。大学や大学院ならばたくさんの専門分野が存在します。それらを外国語で習得できれば一生の財産となるでしょう。専門学校であれば例えばパティシエの学校やアパレルの学校など、フランスでしか得られないような何かを選べばやはり大学同様大きな財産を得ることができます。
大学や専門学校への留学を最後まで成し遂げればそれは立派なキャリアとなります。語学もある程度習得できた上に専門知識を取得できたことになります。その後のキャリアに大きなプラスとなります。履歴書にも教育キャリアとして記載することができます。
しかし語学だけが目的の留学だとキャリアとは言い難いものになります。趣味の世界と割り切るのなら十分ありでしょう。フランス語は少し上達するでしょう。しかしキャリアとして考えたときにはさほどプラスにはなりません。言葉はツールに過ぎません。意思を伝えるためのツールです。ツールだけ磨いてツールを利用しないのであれば無意味です。ただしこれは筆者の意見ですので判断はご自身で!
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