フランス雑学

ミッテラン大統領が愛人アンヌ・パンジョ(Anne Pingeot)に送った1200通以上の手紙、フランス vs 日本の恋愛事情を考える

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フランス人というのは恋愛体質という事を聞きます。ただし、日本語で言う恋愛体質という言葉がそのまま当てはまるとも思えません。日本語で恋愛体質というと、

  • 常に異性の相手を求める。相手がいないという事がほぼ無い。
  • いなくなるとすぐ次を探す。
  • 周囲の人から見てその相手がいい相手だとも思えない。
  • 好きになると周りが見えなくなる。
  • 友達と話すことも異性の事であることが多い。

といったイメージで、女子に多いと言われています。日本語での恋愛体質は恋愛依存症に近いものです。フランス人は恋愛好きであるのは十中八九正しいのですが、日本語で言う恋愛体質というのとはちょっと違うのだと思います。まあ、勿論フランス人だからこうだという乱暴なまとめ方そのものが間違いというのもあります。わたくしサイト管理人も多くのフランス人を知っているわけではありませんし、仮に一例を知っていたとしてもみなそれに当てはまるわけではなく、人それぞれなのは間違いないでしょう。

恋愛体質フランス人、しかし恋愛依存症とは違う

わたくしサイト管理人はフランス語圏を何度か旅しています。その過程でフランス人と会話する機会も多くありました。フランス領の某南の島で出会った初老のフランス人男性はまさに恋愛好きのフランス人だったのだと思っています。年齢は推定で70手前くらいです。彼は本国フランスよりその島に派遣された学校の先生(校長)でした。暫く教員として働いて、引退後もその島に残ることになりました。余程居心地がよかったのでしょう。彼が既婚か未婚か、家族子供がるのか、といったことは聞いていないので知りません。サイト管理人はその後何度かその島を訪れることになり、その度にその男性と出会って会話しているので、友達とまでは言いませんがそこそこの知り合いです。まあ、何という事はない感じのいい老人男性といった雰囲気で、イヤミなところもなく適度にユーモアもあり、とてもおもしろい人物です。その男性が女性を連れて散歩しているのを見かけたことがありました。あとで別の知り合いに聞いたところによれば、愛人(Maîtresse)なんだそうです。70歳前後の普通の男性が愛人というのがまあ何ともフランス人らしいと感じました。日本でも芸能系の業界ではそのような体質の人が多いらしいですが、まさにそういう状態が特殊業界だけでなく一般的である、というのがフランスの恋愛事情なのだろうと思っています。

国家元首でも普通のおじさんでも恋愛体質

フランス大統領ですら愛人を普通に持っている国ですから、国家元首がそれなら一般国民もそうならざるを得ない、ということなのでしょう。オランド元大統領にも愛人がいることが報道されて話題になりました。オランド氏は、セゴレンヌ女史(元パートナー)との関係を暴露する本を出版されたり、元愛人のヴァレリー・トリールヴァイレールからも暴露本を出版されたりと、散々な目に合っています。サルコジ前大統領に至っては3度結婚しています。ミッテラン氏も1962年46歳の時に出会った19歳の女性(アンヌ・パンジョ)と愛人関係になり、子供までつくり、その後死ぬまで愛人関係が継続した、と言われています。

元々フランスでは恋愛などは個人の問題であり、たとえ大統領に愛人がいたとしてもそれを他人が詮索したりしない、というお国柄であったはずですが、オランドの一件を見るとそういう体質も変わってきたのかもしれません。お隣英国のようなゴシップ好きに変貌しているようにも感じます。わたくしサイト管理人としてはぜひ個人の問題には立ち入らないフランスであってほしいと思っていますが、さてどうなるやら。

例えば不倫という恋愛形態もあります。どちらかが既婚である場合不倫と言われます。不倫はもちろん褒められたものではありませんが、不倫であろうがなかろうが、有名人であろうがなかろうが、他人様の恋愛に首を突っ込まないのがフランスや欧州流です。それで仕事が奪われるなどの社会的な制裁が加えられることはありません。一方、政治家や芸能人の不倫が発覚するとなぜか社会的な制裁が加えられる日本、ここにも恋愛観の大きな差が見られます。個人主義が根付いた国々と全体主義が蔓延した国の差なのでしょうか。管理人はもちろん欧州的な個人主義が好きです。

そして、恋愛体質というのも個人主義と少なからず関係があるのでしょう。気が合うから人目をはばからず一緒に時間を過ごす、ごく自然な行動の表れが恋愛体質なのです。恋愛依存症とは大きく異なるものですね。自然体で生きる・行動する、ここは大いに着目すべき点です。忖度や人目を気にして行動するという原理はフランスや欧州にはありません。

自然体のミッテラン氏、ミッテラン氏の愛人は27歳年下、出会ったのは女性が10代のとき

2016年10月、ミッテラン氏が愛人のアンヌ・パンジョ(Anne Pingeot)に送った1200通以上の手紙が出版されました。日本ではAmazonで入手可能(こちらから)です。こちらは本国フランスの出版元へのリンク「Lettres à Anne (Gallimard)」となります。

≪ぼくの人生がどうなるのか見ようとしている、その君の表情に感謝するよ。君に出会ってすぐにすばらしい旅になると感じた。ぼくが行く先にはいつも君がいるに違いない。君の表情に感謝するよ。ぼくにはもう絶対的な闇など来ない。死の孤独すら孤独ではない。愛しいアンヌ。≫(上記リンク先から翻訳)

ミッテラン氏がアンヌ・パンジョに出会ったのは1962年、ミッテラン氏が46歳、アンヌ・パンジョが19歳の時でした。この文章は1965年のものなので、ミッテラン氏が49歳、アンヌ・パンジョが22歳の時ということになります。49歳の男性が22歳の女性に当てた手紙です。なかなか書けない文章ですよね。手紙で気持ちを伝える、というのはすばらしいことだったんだな、と改めて思いました。今ならどうするのでしょう。SNSがコミュニケーションの主要ツールである現代ですからやっぱりLINEでメッセ、ってことになるんでしょうか。それにミッテランの手紙のような美しくて、今書けば気取った風になってしまいそうな文章は書けないでしょう。当時SNSなんでない時代ですから当然といえば当然ですが、手書きで手紙を出すのはかなり手間な作業です。なのでなおさら心がこもったのでしょう。この本はぜひフランス語で読んでみたいものです。

ミッテラン氏がアンヌ・パンジョに出会ったのは1962年ですが、その時ミッテラン氏はフランス大統領ではありませんでした。その3年後、上記の手紙を書いた年の1965年に初めて大統領選挙に出馬し、ド・ゴールに挑みます。ミッテラン氏にはダニエルという夫人がいましたので、紛れもなくアンヌ・パンジョとの関係は不倫ということになります。

ミッテラン氏が初めてフランス大統領になったのは1981年です。第21代大統領(第五共和制)となりました。女性問題に関しては、大統領就任直後の記者団との朝食会の席上で記者から質問を受けた際に、“Et alors ?”(それが何か?)と応えたことは有名なんだそうです。日本だったらどうなりますかね。総理大臣就任者に愛人と隠し子がいることが発覚したら、間違いなく辞任に追い込まれるでしょう。

日本の芸能人さんたちが不倫してマスコミに暴露されたときも「それが何か?あなたたちには関係ないでしょ。」くらい言えるようになったらいいと思っています。まあでもそんな世界は当分日本には来ないような気がしています。いや、むしろ以前の方がそういう雰囲気がありました。逆にどんどん遠のいている感じがします。世の中の物事に対する寛容度合いがどんどん減ってきている気がしてなりません。忖度ももしかしたら近頃助長されているのかもしれません。不気味ですね。

下のリンクは「Lettres à Anne」のAmazon.fr(アマゾン・フランス)のリンクとなります。アマゾン・フランスで買った方が送料を入れても経済的かも知れません。日本にも送ってくれるので利用してみてはいかがでしょうか?なお、日本のAmazonとはアカウントが異なりますので別途登録が必要です。日本のAmazonとはアカウントは共通ではないのですが、米のAmazonとは共通ですので米Amazonのアカウントがあればそのまま使えます。アカウントをお持ちでなければ、アメリカのAmazonフランスのAmazonで登録してご利用ください。

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