フランス語の勉強を始めれば、仏作文やフランス語でのメールなど、どうしてもフランス語をパソコンやスマホで入力しなければならない状況に遭遇します。フランス語の文字には英語のアルファベットであるabcd...に加えてフランス語独特のものがあります。アクセントだったり合字だったり、いろいろあります。これらは全て日本語環境のWindowsやiPhone/Androidから入力可能です。以下、順を追ってWindows10, Android, iPhoneでのフランス語入力方法を解説します。
🍓この記事の目次🍓
フランス語の特殊文字
フランス語では以下のような英語では使わない文字を使います。これらをパスコンやスマホでどうやって入力するのか、そこさえわかれば問題は解決します。
é É | accent aigu(アクサン・テギュ) |
à è ù À È Ù | accent grave(アクサン・グラーヴ) |
â î û ê ô Â Î Û Ê Ô | accent circonflexe(アクサン・スィルコンフレックス) |
ï ü ë ÿ Ï Ü Ë Ÿ | tréma(トレマ) |
ç Ç | cédille(セディーユ) |
æ œ Æ Œ | 合字 |
フランス語の文字をコピー&ペーストで入力する
一つの方法としてはコピー&ペーストを使う方法です。短い文や単語であればこの方法でもできます。上の表からもコピー&ペーストが可能です。Windowsであれば文字コード表というのがあるので、それを開いてそこからコピー&ペーストすることも可能です。Windows 10であれば
スタートメニュー ⇒ Windowsアクセサリ ⇒ 文字コード表
で開くことができます。以下のようなWindowが開きますので、そこから該当の文字を探し、コピー&ペーストします。
しかし、コピー&ペースト方法はあまり効率的ではなく、一文字入れるのにいちいち面倒なステップを踏む必要がありますので、長い文章を打ち込む場合にはお奨めの方法ではありません。やはりキーボードから打ち込む方をお奨めします。キーボード配列に慣れるまでは少し時間がかかりますが、慣れてしまえば圧倒的に素早く文字を打ち込むことができます。
Windows 10でのフランス語入力
やはりキーボードを使った方が圧倒的に効率的にフランス語の文字を入力することができます。配列になれるまで少し練習が必要ですが、慣れてしまえばこっちのものです。Windows 10以外のWindowsでも基本的に同じ方法でフランス語を入力可能です。フランス語配列のキーボードを用意する必要もなく、日本語キーボードで十分です。以下の順に設定してください。
コントロールパネルから言語を追加
- 「コントロールパネル」を開く
- 「時計、言語、および地域」の「言語の追加」を開く
- 「日本語」が表示されているリストの上部の「言語の追加」をクリック
- 「フランス語」をダブルクリック
- 「フランス語(カナダ)」「フランス語(フランス)」など、何か国かのフランス語が出てくるので「フランス語(カナダ)」を選択し、「追加」をクリックして戻る
これでWindows 10にフランス語入力環境が設定されました。何か国かあるフランス語設定のなかでカナダを選ぶのには理由があります。実は同じフランス語でも国によってキーボード配列が違っており、フランス語固有の文字を一番入力しやすいのが「フランス語(カナダ)」を選択したときの「カナダマルチリンガル標準キーボード」だと言われています。試しに「フランス語(フランス)」を選択すると、後で説明するフランス語キーボードで、フランス語固有文字の入力方法がわからないものがありました。
入力モードをフランス語に切り替える
先に説明したように、Windows 10の言語にフランス語が追加されていることが前提となります。言語を追加しただけではまだフランス語の入力はできません。日本でパソコンを使っているのならば通常は日本語入力モードになっているはずですので、入力モードをフランス語に切り替える必要があります。その方法は2パターンあります。
- 画面右下(カスタマイズしていなければ)のツールバーから入力方式を切り替えます。切り替えるためのボタンが配置されていますので、そこからフランス語(カナダ)を選択してください。ツールバーのアイコンがFRAに変わります。
- または、Windowsキー + スペースキーで簡単に切り替えることもできます。
これでキーボードからフランス語入力可能となりました。次に実際にフランス語の文字を入力する方法を説明します。
Windows 10でフランス語の文字を入力する
日本語キーボードを使っているとどこにフランス語の文字が配置されているのかわかりません。フランス語配列を知る一番簡単な方法はスクリーンキーボードを使うことです。Windows 10のスタートメニューにWindows簡単操作という項目があります。その中にスクリーンキーボードがありますので、それを起動してください。するとこのような画面が表示されます。
これでフランス語配列のキーボードを見ることができます。これを見ながらキーボード操作すれば文字の位置を知ることができます。あるいは、スクリーンキーボードをクリックすることでも入力可能です。やりやすい方で入力してください。
é à è ù | accent aigu / accent grave(小文字) | キーとして存在していますので、それを押すことで入力します。 |
É À È Ù | accent aigu / accent grave(大文字) | シフトキーを押しながら該当のキーを押します。 |
â î û ê ô | accent circonflexe(小文字) | accent circonflexeキー(日本語キーボードの@の位置)を押してから a i u e o を押します。 |
Â Î Û Ê Ô | accent circonflexe(大文字) | これがちょっと面倒です。右の方にあるVerr.majというキー(日本語キーボードのCapsの位置)を押してから、accent circonflexeキー(日本語キーボードの@の位置)を押して A I U E O を押します。 |
ï ü ë ÿ | tréma(小文字) | シフトキー + accent circonflexeキーを押してから、i u e y を押します。 |
Ï Ü Ë Ÿ | tréma(大文字) | シフトキー + accent circonflexeキーを押してから、シフトキーを押したままで i u e y を押します。 |
ç Ç | cédille(セディーユ) | キーとして存在していますので、それを押すことで入力します。大文字はシフトキーを押しながら該当のキーを押します。 |
æ œ Æ Œ | 合字 |
|
慣れるまではちょっと面倒ですが、やっているうちに覚えますので根気強く練習しましょう。
Androidでフランス語を入力する
Androidでのフランス語の文字入力は難しくありません。3つのステップでフランス語入力が可能になります。
- 他言語をサポートするキーボードをインストールする
- 言語の設定でフランス語を有効にする
- キーボードで言語を選択する
この3ステップです。
他言語をサポートするキーボードをインストールする
Androidでどのキーボードがデフォルトで有効かは機種によりますので一概には言えません。フランス語入力を可能にするためには他言語をサポートするキーボードをインストールする必要があります。GoogleのGboardというキーボードが使いやすいのでおすすめです。他の他言語キーボードでも問題ありませんし、操作は同じです。ここではGboardの例で説明します。
インストール自体は簡単です。Google PlayでGboardを検索してインストールしてください。
言語の設定でフランス語を有効にする
Gboardをインストールしたら、
設定 ⇒ システム ⇒ 言語と入力 ⇒ 言語
と進んでください。この辺りのメニュー構成は機種やAndroidのバージョンによって違うかもしれません。ここで
+ 言語を追加
で使用する言語を追加してください。
パソコンと同じで、フランス語キーボードにはにはフランス版とカナダ版があります。どちらでもいいのですが、やはり個人的には英語キーボードとは位置が同じであるカナダ版が使いやすく感じます。もちろん使用者のお好みによります。私は一応両方設定してみました。
キーボードで言語を選択する
次に、キーボードで使用する言語を指定します。キーボードが表示された状態になると、下の画像のようにキーボードが表示されます。右下の赤丸の辺りにキーボードを選択するボタン(マーク)があるはずですので、そこをタップしてGboardをキーボードとして選択します。すると下のようにGboardのキーボードが表示されます。
ここで、下の段の「日本語」となっている所を長押しすると、言語を選択できます。長押しするとこのような言語選択画面が表示されます。
ここで、フランス語の選択肢がなければ下の段の「キーボードを追加」で言語を追加することができます。フランス語(フランス)とフランス語(カナダ)の違いはキーの配列の違いです。フランス語(フランス)はAZERTYというキー配列になり、フランス語(カナダ)の場合はQWERTYというキー配列になります。QWERTYの方が英語や日本語と親和性があるので、日本人には使いやすいのだと思います。しかしそれもお好み次第ですので慣れている方を選択してください。
GboardのAZERTYフランス語キーボード
GboardのQWERTYフランス語キーボード
キーボードの上段のキーの並びがそれぞれの名前の由来です。それぞれQWERTY, AZERTYと並んでいるのがお分かりいただけますか?
ここまで来たら、フランス語の文字の入力は簡単です。キーボートを表示している状況でそれぞれのキーを長押しすればフランス語の文字の候補がでてきますので、該当のものを選んでください。例えば、éの場合にはeのキーを長押しします。î û であっても同じです。それぞれ i u のキーを長押ししてください。
æ を入力する場合にはaを長押ししてください。œ の場合にはoを長押しします。
アンドロイドでのフランス語入力を説明しましたが、iPhoneでもほとんど同じステップで入力可能になります。
iPhone(iOS)でフランス語を入力する
iPhoneの場合はAndroidよりもいくらか簡単なステップでフランス語入力が可能となります。まず、Androidと違って新たにキーボードをインストールする必要はありません。なのでこのステップを省略できます。まずやるべきことは既存のiOSのキーボードでフランス語を使えるようにすることです。
- 他言語をサポートするキーボードをインストールする(←iOS(iPhone)では不要)
- 言語の設定でフランス語を有効にする
- キーボードで言語を選択する
フランス語キーボードの有効化
iOS(iPhone)の場合は英語入力モードでもフランス語文字を入力できます。しかし、すべてのフランス語文字を入力できるわけではいので、本格的にフランス語を使いたいのならフランス語キーボードを有効化しておいた方がよいです。既存のiOSのキーボードでフランス語を使えるようにするには、
設定 ⇒ 一般 ⇒ キーボード ⇒ 各国のキーボード
の順番で進んでください。 そこで、
新しいキーボードを追加...
をタップします。
パソコンやAndroidで述べたのと同じ理由で
「フランス語(カナダ)」
を選択します。もちろんお好みによって他のフランス語キーボードでも問題ありません。お好み次第です。
これでフランス語入力が有効化されました。
キーボードで言語を選択する
次に、キーボードで使用する言語を指定します。キーボードが表示されている状態で、左下の方にある地球マークをタップして
Français (Canada)
を選択します。
ここまで来たら、フランス語の文字の入力は簡単です。キーボートを表示している状況でそれぞれのキーを長押しすればフランス語の文字の候補がでてきますので、該当のものを選んでください。例えば、éの場合にはeのキーを長押しします。î û であっても同じです。それぞれ i u のキーを長押ししてください。
æ を入力する場合にはaを長押ししてください。œ の場合にはoを長押しします。